ファクタリング業界の自主規制機関

「給与前払い」新手ヤミ金

読売新聞

新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、給与が減って困窮する会社員らを狙った「新型ヤミ金」が横行している。「給与ファクタリング」と呼ばれ、業者はSNSなどで給与の前借りのようなイメージを宣伝しているが、合法的な商取引「ファクタリング」と違い、実態は法外な金利で金を貸すヤミ金融。コロナ禍で困窮
する人が増える中、多重債務に陥るケースが出る恐れも指摘され
る。

年利数百~1000%超

コロナ苦社員ら狙う                          2.05.18

給与ファクタリングの図式

「コロナで先が見えず、また給与ファクタリングに手を出してしまうかもしれない」。イベント会社に勤務する愛知県の男性(42)は打ち明ける。イベント中止で自宅待機が続き、残業代が大幅に減った。5月に給与が支払われるかわからず、現金も底をつきつつあるという。

 ファクタリングとは、売掛債権(取引先から将来代金を受け取る権利)の買い取り業務を意味する言葉で、本来、企業が売掛債権を譲渡し、資金調達する合法的な手法だ。例えば100万円の売掛債権をファクタリング業者に売れば、企業は現金が早く手に入る。業者は手数料を取り、取引先に後日100万円を請求する

給与ファクタリングは売掛債権を給与に置き換えたものだが、業者の請求先は利用者本人で、ファクタリングと根本的に異なる。年利換算すると、利息制限法の上限金利(年15~20%)を大きく超える数百~1000%超の手数料を取るケースが多い。

 愛知県の男性は昨夏、インターネットで業者を見つけた。運転免許証などの写真を送信し、給料5万円分の債権売却を申し込むと、すぐに3万9000円が口座に振り込まれた。給料が入ると5万円を業者に支払う約束で、差額1万1000円が手数料だったが、当面の生活費が必要で、気に留めなかったという。
業者に「支払いが滞ったら職場に電話する」と迫られ、4月に利用をやめた。男性は「ヤミ金と思わなかった。ネットにはいいことばかり書かれ、困っている人は手を出してしまう」と振り返った。

相談急増、東京で集団訴訟2

正規のファクタリング業者で作る「日本ファクタリング業協会」(東京)によると、給与ファクタリングに関する相談は昨年秋から目立ち始めたという。2月までは月50から60件台だったが、3月に215件、4月も同水準で、新型コロナによる雇用環境の悪化も英キュしているとみられる。