ファクタリング業界の自主規制機関

給与ファクタリング業者・対処マニュアル

こんな質問が多く寄せられています。

  1. 支払日が来たので、指定の銀行口座に振り込んだところ、返却されてきました。支払わらないと何をされるか
    わかりません。どうしたらいいでしょうか
  2. 息子が借りて、親のところに督促が来ています。勤務先に電話すると脅かされています。
    支払ってもいいのでしょうか?
  3. 支払しないと勤務先に連絡すると脅されています。どうしたらいいでしょうか?
  4. 嫌がらせで、マンションの一階掲示板と玄関入口にビラを貼られました。どうすればよいでしょうか?
  5. コロナの影響により、給料の入金が遅れており、借入金返済日前から、給与ファクタリング業者の○○に、給料の入金が遅れそうで、返済が遅れますのでどうしたらよいかと相談したところ、「全額すぐに払ってください」と威圧するような声で言われました。

回  答

  1. 債務の返済金を供託所(法務局)に供託してください。債務を免れることができます。
  2. 直接支払する必要はありません。内容証明で通知しましょう。
  3. 内容証明で通知し、取立禁止の仮処分の手続きをしましょう。
  4. まず、警察の生活安全課に行って、貸金業法の取立禁止条項に抵触しているとして、相談してください。
  5. 貸金業法違反で、すぐ内容証明を送付して、請求を止めましょう。

警察官が「借りたものは返しなさい」と取り合わない。

1.警察の対応と問題点
警察の対応の問題点とヤミ金融対策法金利という名目を利用して、貸付け金の何十倍、何百倍もの金銭を巻き上げるヤミは、出資法違反の犯罪行為である。しかし、被害者がヤミ金犯罪の取締りを求めているのに、警察官が「借りたもの 返しなさい」などと言って取り合ってくれない。」そういうトラブルは、以前から全国各地で起きていた。絶望して自殺するしかない」と思い詰める被害者も少なくなかった。

2.ヤミ金法対策成立
2003年、ヤミ金融対策法が成立した。取立・勧誘など行為規制の強化、罰則の強化などが定められた。日弁連や民間団体は、被害者に武器を与える民事効の規定、つまりヤミ金の請求がすべて無効であることを明確にする条文を設けることを求めた。それは契約無効の制度(当時の貸金業規制法42 条の2)として半分は実現されたが、「モラルハザードを引き起こす」「警察に対し、強化された行為規制と罰則規定を活用して徹底的に検挙することを求めれば、ヤミ金融対策はそれで十分である」との理由で、「元本返済不要」を明記することは斥けられた。その結果、「利息は払う必要ないが、元本は返すのが原則」「利息は被害者に返し、元本はヤミ金に返すという形で清算すべきである」という間違った理解が横行し、人を検挙せずに被害者を説教するという現場対応の混乱を招いた。

平成20年6月10日判決・・元本返済不要・・最高裁

ヤミ金融業者が借主(被害者)に著しく高利(年利数百%~数千%)で貸し付けた場合、ヤミ金融業者は元本の返還を請求することができない。
借主(被害者)は元本についてもヤミ金融業者に返還する義務がない。
  借主(被害者)がこのようなヤミ金融業者に対して損害賠償請求を行った場合、損害額から元本分は減額されない。
 支払った元本・利息の全額を損害として請求することができる 

1.本件ヤミ金融業者が借主(被害者)に対して行った一連の行為(著しく高利での貸付けや、弁済の名目で金銭を受領した
行為)は不法行為となる。借主(被害者)はヤミ金融業者に元利金の弁済として支払った金額全額を損害として、損害賠償請求をすることができる。
2.本件ヤミ金融業者が貸付けとして借主(被害者)に交付した金銭は、不法原因給付に該当するため、本件ヤミ金融業者から借主に対して返還請求することはできない(民法第708条)。
※不法原因給付:社会の倫理、道徳に反する醜悪な行為(=反倫理的行為)に係る給付

令和2年3月24日判決・・東京地裁

令和2年3月24日,東京地方裁判所(男沢聡子裁判長)は,
給与ファクタリング取引(2件)につき、貸金にあたるとの判断を示し,
不法給付原因により契約は無効,刑事罰の対象となる判決を下した。

対処プログラム

内容証明で撃退

内容証明で相手に通知し、本人、会社に取立架電のストップさせましょう。

弁済供託で撃退

弁済意思のある方は、現金書留は止めて、弁済供託手続きをおすすめします。

取立禁止で撃退

強硬に督促がくる。架電される等の方は、裁判者から禁止させましょう。

警察で撃退

警察の生活安全課にご相談ください。

訴訟で撃退

自分で訴訟を提起する方法と士業に委任する方法があります。

士業に委任で撃退

全てを士業に委任する。

内容証明・・即、通知で対処

違法な取立 ⇒ 2年以下の懲役3百万円以下の罰金

昨年実際に発生した事案です。次ような場合は、まず、内容証明で通知して、違法な行動を阻止しましょう。

1.本人にメール,督促電話がされる。
2.勤務先,親族に架電される。
3.自宅に回収に来ると脅された。
4.実家を訪問し、返済を要求された。
5.家に張り紙をされた。...etc

 

弁済供託・・支払方法変更の通知を受けたら

弁済供託で支払意思表示

口座凍結などの理由で支払口座が変更になり、銀行振り込みができない場合は、債権者の都合ですから、弁済意思のあることを示し、法務局に供託をし
ます。供託金は、訴訟提起して勝訴し、返還還手続きをすれば戻ります。
また、給与ファクタリング業者は、ヤミ金であることが確定しましたから、
弁済供託で保全しましょう。

次のような場合は、法務局に供託する手続きを行ってください。
1.その債務を履行しようとしても,債権者が受領を拒否する。
2.債権者の住所不明によりその受領を受けることができなかった。
3.あるいは債権者が死亡した。
4.その相続人が不明である。
5.債務者の過失によらないで債権者を確知することができない。
6.債務の履行ができない。

等の理由により、債務の返済金を供託所(法務局)に供託することによって,債務を免れることができます。

例えば,地代(家賃)を払おうとしたところ,地主(家主)にその受け取りを拒否された場合には,借主は,賃料を供託することによって,支払債務を免れることができます。

 

親族・会社に強硬な架電をされたら

給与ファクタリング業者の口座凍結等、債権者の都合で支払方法の変更が通知された場合は、借主本人での手続きをお勧めします。協会では、弁護士・司法書士等の協力体制が整っていない地域もありますので、自分できる撃退方法の講座を開設しました。実際に給与ファクタリング業者に対し、内容証明の通知、請求による架電禁止の仮処分等により、業者からの請求がストップした事例があります。

取立行為の規制

貸金業法第21条
1 債権の取立てをするに当たって、人を威迫し、又は次に掲げる言動その他の人の私生活若しくは業務の平穏を害するような言動をしてはならない。
一 正当な理由がないのに、不適当と認められる時間帯①債務者等の勤務先その他の居宅以外の場所に電話をかける 
②電報を送達する。 
③若しくはファクシミリ装置を用いて送信する。
④債務者等の勤務先その他の居宅以外の場所を訪問する。
二 債務者等が弁済し、又は連絡し、若しくは連絡を受ける時期を申し出た場合内閣府令で定める時間帯以外の時間帯
5.はり紙、立看板その他何らの方法をもつてするを問わず、①債務者の借入れに関する事実、②その他債務者等の私生活に関する事実 ③債務者等以外の者に明らかにすること
6.債務者等に対し①債務者等以外の者からの金銭の借入れ ②その他これに類する方法により貸付けの契約に基づく債務の弁済資金を調達することを要求すること。
7.債務者等以外の者に対し債務者等に代わつて債務を弁済することを要求すること。
8.債務の処理の委任①債務者等に対し、電話をかけ、②電報を送達し、③ファクシミリ装置を用いて送信し、④訪問する方法により、当該債務を弁済することを要求し、④債務者等から直接要求しないよう求められたにもかかわらず、更にこれらの方法で当該債務を弁済することを要求すること。
貸金業法,出資法違反の罰則は次のとおり定められています。(併科あり。)。
  1. 高金利違反 ⇒ 5年以下の懲役、法人の場合3千万円以下の罰金
  2. 無登録営業 ⇒ 5年以下の懲役、法人の場合1億円以下の罰金
  3. 違法な取立 ⇒ 2年以下の懲役3百万円以下の罰金
  4. 無登録業者の広告 ⇒ 百万円以下の罰金

業者に返還請求を求めたい方

1.内容証明書で通知

1.給与ファクタリング業者は,金融庁、東京地方裁判所が無登録の貸金業であるとの判決が下されましたので,今まで支払
 った全額が取戻しが可能になりました(不当利得返還請求を参考下さい。)。
2.貸金業登録をしている業者に対する利息だけの返還を求める過払い金請求とは違います。無登録業者すなわちヤミ金業者
   になり,非常に厳しい懲役刑と罰金刑が科せられます。
3.悪質な取立は、貸金業法の取立禁止条項に該当しますので,強硬な取立を阻止する取立禁止及び架電禁止等の内容を記し
 た配達証明付内容証明郵便により通知します。実際に内容証明で通知したところ、請求がストップした事例があります。
4.最寄りの警察の生活安全課に相談するのも得策です。

5.清算及び破産等に移行した場合は、債権届け出が必要になります。

2.準備する書類等

1.次のように整理してください。
(1) 利用するきっかけと経緯
(2) 相手の会社名及びホームページ
(3) 会社ごと借入金台帳を作成します。①借入日②借入金③返済日④返済金
(4) 通帳の写しが必要です。
(5) 各契約書
(6) 資格証明書の準備(会社登記簿謄本)

2.(3)と(4)の照合をします。

3.訴状の作成

(1)  契約書の管轄裁判所及び住所を調べます。
(2)  収入印紙、郵券を準備します。(後記申立費用一覧表を参考にしてください。)
(3)  訴状(不法行為による損害賠償請求)を提出します。
(4)  証拠説明書(契約書、借入金台帳、通帳等)を作成します。

2.訴状提出後,裁判所から訴状の内容について,誤記及び訂正等の連絡が来ます。
3.訴訟の日程が決まります。期日請書を裁判所に提出します。 

架電・取立禁止の仮処分

1.前項の手続きより、業者から連絡が来た場合、配達証明付内容証明郵便により,業者に通知を送付します。
2.通知しても,本人に連絡がきた場合,親族,会社に連絡する行為の禁止を裁判所に申立てます。
3.命令が発せられた後に,連絡が来た場合は、警察署に被害届を提出すれば刑事事件として受理されます。
4.実際に令和2年2月12日熊本地裁民事第1部は,悪質な架電・取立をする業者に架電禁止仮処分命令を発令しました。
5.裁判所申立印紙代2000円と担保金がかかります。

しつこい電話の相手方に対して・・・

面会を求めてくる相手に対して・・・

「面会強要禁止の仮処分」
「架電禁止の仮処分」
張り紙、ビラ配り対して・・・「文書配布禁止の仮処分」

保全手続き(仮差押え)

保全事件とは,民事訴訟の本案の権利(貸金返還請求権など)の実現を保全するために行う仮差押えや仮処分の手続のことをいいます。例えば,仮差押命令の申立ては,裁判を起こす前に,相手方の不動産や預金などの財産を前もって仮に差し押さえ,将来の回収を容易にする手続です。

不法原因給付により、支払った全額(元本・利息)に対し、仮に差し押さ手続きをします。裁判に勝訴しても、実際に戻ってこなければ、意味がないので訴訟提起前に債権仮差押えを申立てます。この場合、債権額の20%程度の金額を法務局に担保金として納付します。訴訟で勝訴した場合、返還手続きをすればもどります。下記の表にもとづき、訴訟額による印紙及び郵券を裁判所に納付します。

※不法原因給付とは、ヤミ金は、違法な不法な犯罪であるから不法な原因により、貸したお金(給付)をいいます。それによって給付したお金の返還は請求できません。

共同不法行為

金融庁が給与ファクタリングは貸金業に該当するとの見解を発表し、東京地方裁判所では、給与ファクタリング業者は、不法原因給付により、その契約は無効であり、貸金業法の無届業者、出資法の高金利違反との判決が下されました。
 

犯罪によって得た収益を受取った者も犯罪協力者になります。

犯罪によって得た収益は、代表者個人、従業員、WEBデザイナー、アフリエイター、投資家、顧問弁護士等に利益を給料、業務委託料、顧問料等分配していますから、それらの者(受益者)全てが犯罪協力者(助長、幇助、教唆)として、民法第719条共同不法行為者となります。不法行為により、犯罪協力者らに対し、不当利得(民法第703条)による返還請求(損害賠償)訴訟が可能となります。また、犯罪ですから、当然、会社設立時の発起人、協力者は、会社と同罪(刑事罰、刑法62条1項)にもなります。

不当利得の返還

条文(民法第703条)
法律上の原因なく他人の財産又は労務によって利益を受け、そのために他人に損失を及ぼした者(受益者」という。)は、その利益の存する限度において、これを返還する義務を負う。
解釈・判例

1. 他人の財産又は労務によって利益を受けること

2. 他人に損失を及ぼしたこと
3. その損失と利益との間に因果関係があること

利得と損失の因果関係は、社会通念上相当と認められるもので足りる(最判昭49.9.26)。 

不法行為による損害賠償

条文(民法第709条)
故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は,これによって生じた損害を賠償する責任を負う。
解釈・判例

1. 故意又は過失による行為(加害行為)であること
① 故意:結果に対する認識があること
② 過失:普通人の注意を欠いたために、結果に対する認識がないこと
2. 他人の権利又は法律上保護される利益を侵害したこと

3. 損害が発生したこと→ 損害は、財産的なものに限らず、精神的なものでもよい   (710条、711条)。

4. 加害行為1と損害発生3との間に因果関係があること
5. 行為者に責任能力があること
→ 責任能力とは、自己の行為の結果が違法なものとして法律上非難され、法的責任が発生することを認識できる能力のことをいう。

共同不法行為者の責任

条文(民法第719条 )

1.数人が共同の不法行為によって他人に損害を加 えたときは、各自が連帯してその損害を賠償する責任を負う。共同行為者のうちいずれの者がその損害を加えたかを知ることができないときも、同様とする。

2.行為者を教唆した者及び幇助した者は、共同行為者とみなして、前項の規定を適用する。

解釈・判例

1.数人の者が共同の不法行為によって他人に損害を加えた場合(狭義の共同不法行為)、
2.及び共同行為者中の誰が実際に損害を加えたのか明らかでない場合(具体的加害者不明の共同不法行為)、
3.各不法行為者は、生じた損害について連帯して任を負う。

2.教唆者、幇助者も共同行為者とみなされ、生じた損害について連帯して責任を負う。

犯罪協力者ら全員に対し請求

給与ファクタリング業者は、全て、高利で得た犯罪収益を、代表者個人、従業員、WEBデザイナー、アフリエイター、投資家、顧問弁護士等に利益(給料、顧問料等)を分配していますから、被
害者は、全員に請求できます。

不当利得返還請求訴訟

不法原因給付による不当利得返還請求訴訟を提起します。令和2年3月26日の判決に基づき、貸金業法違反(ヤミ金)で支払った金額全額が対象となります。(利息だけが戻る過払い金とは違います。)

 

申立費用一覧表

1.申立手数料(収入印紙)

2.郵便切手(郵券)一覧表