ファクタリング業界の自主規制機関

偽装ファクタリング

ZERUTA 全額返還命令               東京地裁    3.2.9

契約無効・・・全額返還命令

将来の給与を担保に現金を渡す「給与ファクタリング」が貸金業に当たり、手数料名目で法外な金利を求める契約は無効だとして、5都県の男女9人が業者に総額約430万円の返還を求めた訴訟の判決で、東京地裁は9日、違法と認め、全額を返還するよう命じた。

 判決によると、業者は「七福神」の名称で事業を展開するZERUTA(東京)。利用者が勤務先から受け取る予定の給与を債権として買い取り、手数料を引いた現金を提供。給料日に、利用者が債権額を支払う仕組みだった。

 藤沢裕介裁判長は、こうした手法が「貸金業に当たる」と認定。貸金業を営むために必要な登録を受けず、手数料として年利換算250%を超える違法な金利を受け取ったとし「契約は無効」と判断した。

偽装ファクタリング  逮捕

企業の資金調達に用いる金融取引「ファクタリング」を悪用し、高額な手数料を徴収するヤミ金が横行している。実態は資金繰りに苦しむ中小企業に法外な高金利で貸し付ける手口で、ファクタリングの手数料に法的な制限がないことが背景にあるという。

大阪府警は1月、貸金業法違反容疑で、ファクタリングを装ったヤミ金業者を全国で初めて摘発したが、業者の実態は不透明な部分が多く、被害の全容は判然としていないという。(井上浩平)

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違法性の判明恐れ

 「分割返済を交渉してほしい」

 1月中旬、多重債務者の支援団体「大阪クレジット・サラ金被害者の会」(大阪いちょうの会)でヤミ金対策委員長を務める前田勝範司法書士のもとに、札幌市の食品販売会社から相談が寄せられた。同社は資金繰りが悪化し、昨年12月、「ファクタリング」をうたった業者からの電話勧誘に応じてしまっていた。

 正規の業者なら企業の債権を買い取って代金を回収するが、この業者は取引先への未収金(売掛債権)100万円を担保に30万円を同社に貸し付けた。同社は利息を含め40万円を返済したが、追加で借りた約77万円のうち約53万円が返せず、返済を迫られていた。

 融資とすれば法定金利の10倍以上で、明らかに違法な高金利のため、前田司法書士は「無登録の貸金業に当たり、出資法に違反する高金利だ」と判断。取引を中止し、支払い分の返還を求める文書を業者に送ると、素直に従ったという。

 業者側とは電話やファクスでやりとりしたが、所在地などは不明のままだ。「ファクタリングを隠れみのにしたヤミ金の“確信犯”。争えば違法性が明らかにされると考え、素直に応じたのだろう」。前田司法書士はこう推測する。

何度も貸し付け

金融関係者によると、ファクタリングはもともと、中小企業の資金繰り支援策としてリース会社などが手がけてきた。企業側にとっては債権を取引先からの支払日より早く現金化できるなどのメリットがある。

 ただ、ファクタリングは融資でなく、取引手数料にも明確な規制がない。このため、法規制が厳しくなったヤミ金業者がファクタリング業者に衣替えし、手数料名目で高い金利を取るケースが増えているという。

 正規のファクタリング契約では、債権譲渡を取引先に知らせる「債権譲渡通知書」も作成するが、悪徳業者はこの通知書も悪用するようだ。「返済できなければ取引先に通知書を送る」と企業側に圧力をかけ、何度も貸し付けるという。

 捜査関係者は「資金繰りが苦しい企業は、途中でヤミ金だと気づいても、すぐに資金が必要なため業者から借りてしまう」と話す。

手口も使い回し

府警が今年1月に摘発した2業者の中には、ヤミ金で逮捕歴のある人物も含まれていた。2業者は全国約250社に総額3億円以上を貸し付け、1億円以上の利益を得ていたという。

 府警幹部は「金が用意できなければ利息分だけを払わせ、元金返済を先延ばしにする『ジャンプ』と呼ばれる手口を使うなど、ヤミ金そのもの」と指摘する。

 府警は全国で同様の被害が相次いでいるとみているが、新たな手口だけに詳細はつかめていないという。今後も摘発を通じて実態解明を進める方針だ。

 

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