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ヤミ金元本返済不要・・最高裁判例

警察官が「借りたものは返しなさい」と取り合わない。 

1.警察の対応と問題点
  警察の対応の問題点とヤミ金融対策法金利という名目を利用して、貸付け金の何十倍、何百倍もの金銭を巻き上げるヤミ
    金は、出資法違反の犯罪行為である。しかし、被害者がヤミ金犯罪の取締りを求めているのに、警察官が「借りたものは
    返しなさい」などと言って取り合ってくれない。」
そういうトラブルは、以前から全国各地で起きていた。絶望して、
   「自殺するしかない」と思い詰める被害者も少なくなかった。

2.ヤミ金法対策成立
  2003年、ヤミ金融対策法が成立した。取立・勧誘など行為規制の強化、罰則の強化などが定められた。日弁連や民間団
   体は、被害者に武器を与える民事効の規定、つまりヤミ金の請求がすべて無効であることを明確にする条文を設けることを
 求めた。それは契約無効の制度(当時の貸金業規制法42 条の2)として半分は実現されたが、「モラルハザードを引き起
   こす」「警察に対し、強化された行為規制と罰則規定を活用して徹底的に検挙することを求めれば、ヤミ金融対策はそれで
   十分である」との理由で、「元本返済不要」を明記することは斥けられた。その結果、「利息は払う必要ないが、元本は返
   すのが原則」「利息は被害者に返し、元本はヤミ金に返すという形で清算すべきである」という間違った理解が横行し、
   人を検挙せずに被害者を説教するという現場対応の混乱を招いた。
(東京弁護士会 木村裕二弁護士)

平成20年6月10日判決

ヤミ金融業者が借主(被害者)に著しく高利(年利数百%~数千%)で貸し付けた場合、ヤミ金融業者は元本の返還を請求することができない。
⇒ 借主(被害者)は元本についてもヤミ金融業者に返還する義務がない。
  借主(被害者)がこのようなヤミ金融業者に対して損害賠償請求を行った場合、損害額から元本分は減額されない。
支払った元本・利息の全額を損害として請求することができる 

 

被害者600人 被害総額 200億円 

指定暴力団山口組旧五菱会系のヤミ金融グループからスイス当局が没収した約29億円の犯罪収益について、東京地検は27日、受付期限の26日までに5872人が返還を申請し、申請額は100億円を超えたと発表した。被害確認の審査を今後進めるが、認定額は29億円を超えるとみられる。
東京地検によると、26日までに投函(とうかん)した郵便での申請分が残るため、6000人を超える見通し。申請額は15日時点で約114億円だったが、その後申請が急増したため、最終的には200億円近くに上る可能性がある。
支給は被害総額の確定後になるため、数カ月後になる。認定総額が29億円を超えた場合、被害額の一部が支給される。
2009年1月27日11時48分配信 時事通信)

具体的内容

1.本件ヤミ金融業者が借主(被害者)に対して行った一連の行為(著しく高利での貸付けや、弁済の名目で金銭を受領した
行為)は不法行為となる。借主(被害者)はヤミ金融業者に元利金の弁済として支払った金額全額を損害として、損害賠償
 請求をすることができる。

2.本件ヤミ金融業者が貸付けとして借主(被害者)に交付した金銭は、不法原因給付に該当するため、本件ヤミ金融業者か
 ら借主に対して返還請求することはできない(民法第708条)。

※不法原因給付:社会の倫理、道徳に反する醜悪な行為(=反倫理的行為)に係る給付

ヤミ金には一切元本を払う必要はない。

元本返済不要というメッセージの本件判決は、成立しても無効な「金銭消費貸借契約」という用語は使わずに、「著しく高利の貸付けという形をとった反倫理的行為」という表現をとった。実体として存在するのは反倫理的行為であり、契約は形だけのものに過ぎない、という本質的な理解をストレートに言い表した。本件判決は、立法の不備を補うとともに、社会に対して「ヤミ金には一切払う必要がない」という強いメッセージを発信したものである。最高裁判決の直後、警察庁は「ヤミ金融事案の被害者対応マニュアル(4訂版)」において、最高裁判決に言及するとともに「『借りたものは返すべきだ』『せめて元本くらいは返した方がよい』などの対応はしてはいけない」、という記述を書き加えた。

 

貸金業に関する主な最高裁判決


(抜粋・要旨)
平成2年1月22 日最高裁判決
○法43 条1項にいう債務者が利息として任意に支払ったとは、債務者が利息の契約に基づく利息の支払に充当されることを認識した上、自己の自由な意思によってこれらを支払ったことをいい、債務者において、その支払った金銭の額が利息制限法1条1項に定める利息を超えていること、あるいは当該超過部分の契約が無効であることまで認識していることを要しない。


平成11 年1月21 日最高裁判決
○貸金業者の預金又は貯金の口座に対する払込みによってされたときであっても、特段の事情のない限り、貸金業者は、払込みを受けたことを確認した都度、直ちに、同法18 条1項に規定する書面(受取証書)を債務者に交付しなければならない。
けだし、同法43 条1項2号は、受取書面の交付について何らの除外事由を設けておらず、また、債務者は、受取書面の交付を受けることによって、払い込んだ金銭の利息、元本等への充当関係を初めて具体的に把握できるからである。


平成15 年7月18 日最高裁判決
○同一の貸主と借主との間で基本契約に基づき継続的に貸付が繰り返される金銭消費貸借取引において、借主の一つの借入金債務につき利息制限法所定の制限を超える利息を任意に支払うことによって生じた過払金は、特段の事情がない限り他の借入金債務へ充当され、貸主は充当されるべき元本に対する約定の期限までの利息を取得することができない。


平成16 年2月20 日最高裁判決
○貸金業者の業務の適正な運営を確保し、資金需要者等の利益の保護を図ること等を目的として、貸金業に対する必要な規制等を定める法の趣旨、目的(法1条)と、業務規制(法17 条及び18 条の要件を具備した書面を交付する義務)に違反した場合に罰則が設けられていること等にかんがみると、法43 条1項の規定の適用要件については、これを厳格に解釈すべきものである。
○17 条書面には、法17 条1項所定の事項すべてが記載されていることを要するものであり、その一部が記載されていないときは、法43 条1項適用の要件を欠く。
○18 条書面の交付は弁済の直後にしなければならない。平成16 年2月20 日最高裁判決(上記とは別の判決)
○貸付の弁済を受ける前に書面を交付した場合は18 条1項所定の要件を具備した書面の交付があったということはできない。

平成16 年7月9日最高裁判決
○支払後7ないし10 日以上後にされた18 条書面の交付をもって、弁済直後の交付と解することはできない。


平成17 年12 月15 日最高裁判決
○仮に、当該貸付に係る契約の性質上、法17 条1項所定の事項のうち、確定的な記載が不可能な事項があったとしても、貸金業者は、その事項の記載義務を免れるものではなく、その場合には、当該事項に準じた事項を記載すべき義務があり、同義務を尽くせば、当該事項を記載したものと解すべき。リボルビング方式の場合に、個々の貸付けの時点での残元利金について、最低返済額及び経過利息を毎月15日の返済期日に返済する場合の返済期間、返済金額等を17 条書面に記載することは可能であるから、上告人は、これを確定的な返済期間、返済金額等の記載に準ずるものとして、17 条書面として交付する書面に記載すべき義務があったというべきである。


平成18 年1月13 日最高裁判決
○貸付契約に元利の支払遅滞について期限の利益喪失特約が付されている場合、当該特約は利息制限法の制限利率を超える部分の利息の支払遅滞については無効であるが、債務者にそれが無効でないとの誤解が生じなかったといえるような特段の事情のない限り、債務者に対して当該超過部分の支払を事実上強制することとなることから、法43 条1項の要件である弁済の任意性が否定される。


(平成18 年1月19 日最高裁判決、同1月24 日最高裁判決も同旨)
○貸金業者の業務の適正な運営を確保し、資金需要者等の利益の保護を図るためであるから、法18 条1項の解釈にあたっては、文理を離れて緩やかな解釈をすることは許されない。弁済を受けた債権に係る貸付の契約を契約番号その他により明示することをもって、法18 条1項1号から3号までに掲げ事項の記載に代えることができる旨定めた部分は、他の事項の記載をもって法定事項の一部の記載に代えることを定めたものであるから、内閣府令に対する法の委任の範囲を逸脱した違法な規定として無効と解すべき。


平成18 年1月19 日最高裁判決
○債務者が制限超過部分を自己の自由な意思によって支払ったか否かは、金銭消費貸借契約証書や貸付契約説明書の文言、契約締結及び督促の際の貸金業者の債務者に対する説明内容などの具体的事情に基づき、総合的に判断されるべきである。


平成18 年1月24 日最高裁判決
○日賦貸し金業者について、法43 条1項の「みなし弁済」が適用されるためには、日賦貸金業者の業務方法の要件が、契約締結時だけでなく、実際の貸付においても充足されている必要がある。
○(「みなし弁済」適用の前提となる法定書面の要件は厳格に解すべきであり、)記載内容が正確でないときや明確でないときは「みなし弁済」の適用要件を欠く。

平成18 年3月7日 最高裁判決
○年1200%の高利事案に関し、元本についても返済義務を認めなかった平成17 年2月23 日の札幌高裁判決の上告を棄却し、同判決を確定させた。
○同高裁判決は、「出資法の罰則に明らかに該当する行為については、もはや、金銭消費貸借契約という法律構成をすること自体が相当ではなく、被控訴人(業者)が支出した貸金についても、それは貸金に名を借りた違法行為の手段にすぎず、民法上の保護に値する財産的価値の移転があったと評価することは相当でない」として、借主が業者に返済した元本相当金額についても、不法行為に基づく損害であると認め、借主から業者に対する返還請求を認めた。
(参考)貸金業法42 条の2 貸金業を営む者が業として行う金銭を目的とする消費貸借の契約において、年109.5%を超える割合による利息の契約をしたときは、当該消費貸借の契約は、無効とする。


平成18 年3月9日最高裁判決
○取引履歴の開示請求を受けた貸金業者について、平成17 年7月19 日最高裁判決を引用して、開示義務を認めた。
○同判決は、「貸金業者は、債務者から取引履歴の開示を求められた場合には、その開示要求が濫用にわたると認められるなど、特段の事情のない限り、貸金業法の適用を受ける金銭消費貸借契約及び保証契約の付随義務として、信義則上、保存しているその業務に関する帳簿(貸金業法19 条)に基づいて取引履歴を開示すべき義務を負い、貸金業者がこの義務に違反して取引履歴の開示を拒絶したときは、その行為は、違法性を有し、不法行為を構成するというべきである」としている。


平成18 年3月17 日最高裁判決
○内容は、以下のとおり平成18 年1月13 日判決と同趣旨である。
A 期限の利益喪失特約が、債務者に利息制限法の制限金利を超える利息の支払を事実上強制するとして、任意性を否定し、43 条の適用を認めなかった。
B 貸金業規制法施行規則15 条2項の規定は、法の委任の範囲を逸脱した違法な規定であり、無効であるとした。
○本案件は、第1審が簡易裁判所であったため、上告審(第3審)は高等裁判所であった。この場合、憲法違反の理由でのみ、最高裁に対する特別上告が認められる。
今回最高裁は、貸金業規制法施行規則15 条2項は憲法違反であるとの特別上告理由を否定しつつ、職権で下級審の判決内容につき判断して判決を言い渡した。


平成18 年3月30 日最高裁判決
○貸付契約に元利の支払遅滞について期限の利益喪失特約が付されている場合、特段の事情のない限り、債務者に対して利息制限法の制限利率を超える利息の支払を事実上強制することとなることから、法43 条1項の要件である弁済の任意性が否定される。
○貸金業者規制法施行規則15 条2項は、内閣府令に対する法の委任の範囲を逸脱した違法な規定として無効と解すべき。

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